「ご返信ありがとうございます。実は今回の案件は、単にソースコードを上書き保存するだけの作業ではございません……」
ココナラでWordPressの変更作業に応募したところ、とある依頼主のアカウントからそんな書き出しのメッセージが届いた。読み進めていくと、内容はこうだった。
届いたメッセージの中身
要約するとこういう提案だった。
- 正式契約の前に、スキル確認のための「無償テスト」を受けてほしい
- テスト内容は「画像の差し替え」「テキストの入力・修正」「レスポンシブ表示への調整」の3つ
- そのテストは、本番のWordPress管理画面(アドミンパネル)の情報を渡した上で行う
- テストで問題なければ、そのまま正式に依頼する
正直、最初に読んだときの違和感がすごかった。「無償のテスト作業」自体はよくある話だとしても、それを「本番の管理画面」でやらせるというのが引っかかった。テスト用の環境ではなく、いきなり本番のログイン情報を渡すと言っている。しかもメッセージ画面には、ココナラ自身による「フィッシングサイトへの誘導に注意」という警告バナーも表示されていた。
これって規約違反なの?と思って、実際に規約を読みに行った
怪しいとは思ったものの、「怪しい気がする」で終わらせず、ココナラの公式ヘルプページで「禁止行為」の一覧を実際に確認しに行った。結果は、少し意外だった。
プラットフォーム外でのやり取りや外部ツールでのファイル送付、直接連絡先の交換、プラットフォーム外決済などは明確に禁止行為として書かれている。しかし「正式契約前に本番環境で無償のテスト作業をさせること」自体は、少なくとも私が確認した範囲の条文には、名指しでは書かれていなかった。
つまり「規約の文面には直接違反していないが、悪用されやすいパターンに酷似している」というのが、自分なりに調べた末の答えだった。ここで安易に「規約違反です」と決めつけずに、ちゃんと一次情報(公式のヘルプページ)に当たれたのは、自分の中でも良い判断だったと思っている。
結局、違反報告をして辞退した
規約の条文には直接触れていなくても、この手口には典型的な危険性がある。もし本番の管理画面情報を渡されて「無償テスト」を行ってしまえば、正式契約に至らなかった場合でも、こちらは既にサイトを操作できる状態を作ってしまっている。悪意があれば、無償労働をさせられるだけでなく、情報を渡した側にトラブルの責任を負わされるリスクすらある。
最終的に、ココナラの違反報告フォームから状況を報告し、とある依頼主へは「正式契約前に本番環境での無償作業(管理画面情報の共有を前提としたテスト)をお引き受けすることは、当方のポリシー上お受けしておりません」と伝えて、辞退した。
副業を始めてから意識するようになった、危険な案件のサイン
今回のことで、自分なりに「これが重なったら要注意」というサインが見えてきた。
- 「本番環境」や「管理画面のログイン情報」を、契約前の段階で渡そうとしてくる
- 作業内容の説明があいまいなまま、「無償でまずテストを」という話が先行する
- プラットフォームの警告バナーなど、公式側が既に注意喚起をしている
- 「有力な候補者です」といった持ち上げ方で、判断を急がせようとしてくる
ひとつひとつは決定的な証拠にはならなくても、重なったときは一度立ち止まって確認したほうがいい、というのが今回の実感だ。
副業を始めたばかりの頃は、応募した案件から返信が来るだけで嬉しくて、少々の違和感には目をつぶってしまいそうになる。でも「返信が来た」ことと「安全な案件である」ことは、まったく別の話だ。怪しいと感じたら、まず公式の規約やヘルプを自分で確認する。今回はその一手間が、変な契約を未然に防ぐことにつながったと思う。
