2023年6月、僕は会社で初めて育休を取った男性社員になった。
「男性が育休?」という空気がまだ残っている職場で、2ヶ月間の育休を取得した。今日はその話を全部書く。
なぜ育休を取ろうと思ったか
妻の出産予定日が近づいてきたとき、正直に言うと育休を取るかどうか迷っていた 。
会社で前例がなかった。男性が育休を取るという文化がなかった。「迷惑をかけるんじゃないか」という気持ちもあった。
でも、妻の出産方法に関わらず、育休を取る気は最初から満々だった。
むしろ「取らない理由が見当たらない」という感覚だった。
帝王切開は開腹手術だ。産後すぐに「はい、育児と家事よろしく」は無理がある。妻一人に任せるという選択肢は、僕の中にはなかった。
会社への伝え方と上司の反応
育休取得の意向を上司に伝えた。
上司の第一声は「いいよ」だった。
うちの上司は新しいことを積極的に取り入れるタイプで、こういう話にも寛大だった。ただ、僕しか対応できない業務があったため、引き継ぎとすり合わせには時間がかかった。
問題は会長だった。
育休の話を聞いた会長は、少し怪訝な顔をした。時代的にも、感覚的にも、男性が育休を取るということへの違和感があったのだと思う。
ここで動いてくれたのが上司だった。
「名古屋市が育休を導入した企業に補助金を出す制度をやってる」
上司がこの制度を調べて、会長へのお土産として持っていってくれた。会社にとってもメリットがある話として提示することで、会長の理解を得ることができた。
上司の人望と、この一手のおかげで育休が実現した。
育休中の2ヶ月——実際に何をしていたか
妻は術後で完全には動けない状態だった。育児と家事のほぼすべてを僕が担った。
毎日やっていたこと
– ミルクを作って飲ませる
– おむつ交換
– 沐浴
– 寝かしつけ
– 洗濯・洗い物
– 食事の準備(ミールキットの三つ星ファームに助けられた)
正直、想像以上にハードだった。
「育児って大変そう」という抽象的な理解が、「これは本当に大変だ」というリアルな実感に変わった2ヶ月だった。
育休を取って本当によかったこと
子供の成長を毎日隣で見られたこと。
生後すぐの時期は、毎日顔つきが変わる。表情が増える。声が変わる。その瞬間を仕事しながら見逃さずに済んだことは、何にも代えられない。
もう一つは、妻のメンタルケアができたこと。
産後は身体的にも精神的にも不安定になりやすい。隣にいて、話を聞いて、一緒に育児をする。それだけで妻の負担がどれだけ違うか。育休を取らなかったら、妻一人に相当な重荷を背負わせていたと思う。
育休後、妻はこう言った。
「あなたに子供を任せることが安心してできる」
この言葉が、育休を取った一番の収穫だったかもしれない。
後悔していること
育休を取ったことへの後悔はゼロだ。
ただ、2つだけ正直に書く。
①金銭面がきつかった
育休中は給与が入らない。育児休業給付金は出るが、手取りより少ない。2ヶ月とはいえ、家計への影響は小さくなかった。育休を検討している人は、事前に給付金の計算をしておくことをおすすめする。
②もっと長く取ればよかった
業務的に2ヶ月が限界だったが、今思えばもう少し長く取れれば良かった。育休を取れる環境にある人は、ギリギリまで長く取ることを考えてほしい。
育休を取ろうか迷っているパパへ
「会社に迷惑をかける」と思って踏み出せない人がいると思う。
でも考えてほしい。生後すぐの時期は一生に一度しかない。子供が生まれた直後の妻のそばにいられる時間は、取り戻せない。
僕が育休を取れたのは、上司の理解と、制度をうまく活用したからだ。会社に伝えるとき、感情論だけじゃなく「会社にもメリットがある」という視点を持って話すと、理解を得やすい。
育休は権利だ。使っていい。
まとめ
– 男性育休は「会社への伝え方」次第で実現できる
– 帝王切開など妻の状況によっては特に取得する価値が高い
– 育休中は育児・家事をフルでやる覚悟を持つ
– 金銭面は事前にシミュレーションしておく
– 子供の成長と妻との信頼関係は、何にも代えられない
