【第2話】「スキルゼロは迷惑だよ」面接で心をえぐられた日ーーそれが転機だった

「君みたいなスキルゼロの人を雇っても、お互い不幸になるだけだよ」                                                     

  この一言が、僕の就活を変えた。 

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集団面接という名の公開処刑

書類選考で秒殺され続けた僕は「正社員がダメならアルバイトから」と考え、ECサイト運営会社のアルバイト面接へ応募した。 

面接会場に着くと、同じ境遇の若者が数人いた——と思ったら、全然違った。
 
隣の人はポートフォリオを鞄から取り出し、専門用語を交えながら滑らかに自己PRをしている。その次の人はFigmaの実務経験を語っている。                 

僕の手元にあるのはコンビニで印刷した履歴書だけ。「Webデザインで何かできますか?」と聞かれて「えーっと……インターネットサーフィンとか……」と答えた。                               

不合格だった。

社長の正論が刺さりすぎた

数日後、別のECサイト会社から面接の連絡が来た。小さな会社で、面接官は社長ひとりだった。

雑談のような雰囲気の中、社長がこう言った。

「君みたいなスキルゼロの人を雇っても、お互い不幸になるだけだよ」         

「求人票の『未経験歓迎』ってね、業界経験はないけどPhotoshop/Illustrat orやHTML/CSSくらいは触れるけど実務経験がない人のことなんだよ。
パソコンが使えるってレベルの話じゃない」

心がえぐられた。でも、正論だった。反論できなかった。 

社長がくれた一本の蜘蛛の糸  

追い打ちをかけるように続く言葉を覚悟したとき、社長は意外なことを言った。

「職業訓練校って知ってる?失業保険をもらいながら、無料でスキルを学べる制度。Webデザインのコースもあるよ」

藁にもすがる思いで、その日の帰り道にハローワークへ向かった。

2026年の「未経験歓迎」事情 

あれから数年が経って、状況は変わったようで変わっていない。 

転職サービスのAIマッチングが普及し、スクリーニングはさらに厳しくなっている。「未経験歓迎」の意味は今も変わらない——基礎スキルがある人向けの言葉だ。

ただ、当時と違うのはAIの存在だ。ChatGPTやFigma AIを使った制作プロセスが標準化された今、「AIツールを使って素早く動けます」というアピールは、ポートフォリオ以上に刺さるケースも出てきている。

逆に言えば、AIに任せきりで「自分では何も考えられない」人は、いくらスキルがあっても落とされる。

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